2012年11月14日水曜日

NSPメッセージ第6回:都市再生研究会 担当理事;山口

みなさん、こんにちは。
都市再生研究会、担当理事の山口です。
各研究会担当理事からの情報発信が一巡をして、またお目にかかります。

11月も半ばを過ぎ,秋の涼しさから名古屋はすっかり冬めいてきました。風邪などの症状が各地からニュースとして届きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。是非、ご健康にご留意下さい。

さて、今回は『加工貿易立国から国内資源活用への転換』という視点でまとめてみます。


 先月、財務省が発表した2012年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、3兆2,190億円の赤字となりました。
 資源のない日本は、長い間、原材料を輸入して、高い技術力で付加価値の高い製品に加工し、それらを輸出して外貨を稼ぎ、生活に必要なエネルギーや食糧を輸入するという加工貿易モデルで今の豊かな暮らしが成り立ってきました。
 しかし、欧州や中国の景気減速、東日本大震災、円高、中国との関係の冷え込み等による製造業の輸出低迷、原子力発電所の稼働停止による原油、天然ガス輸入の増加により、半期ベースでは過去最大の赤字に転落しているのです。そして、日本の高度成長を支えてきた製造業は、歴史的な円高や新興国の企業の台頭で、競争力を失い、海外でものをつくり、日本に逆輸入する動きが定着してきています。
 このような経済情勢において、大切なのは「原点にかえり、土台をかためる経営管理と業務方針」だと私は考えます。

 ところで、皆さんは日本の国土のどれくらいを森林が占めているか知っていますか?

 そうです、日本は、国土の約66%(2,500万ヘクタール)、つまり約3分の2を森林が占める世界有数の森林大国なのです。
 しかし残念なことに、健康な森が育つために必要な間伐実績は年間55万6,000ヘクタール(2010年度)しかなく、これは整備されるべき人工林の5%に過ぎません。そして、1,000万ヘクタール以上の森林が、放置された未利用森林となっています。また、年間約2,000万立方メートル(約800万トン)もの間伐材が、林地残材として放置されている状態というのです。


   日本の森林面積 :2,500万ヘクタール
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   年間間伐施業面積:  55万6,000ヘクタール
   放置森林面積  :1,000万ヘクタール以上

   未利用間伐材  :年間約2,000万立方メートル
              (約800万トン)
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 間伐材、間伐林地残材といった現在未利用の森林資源を活用することにより、森林が整備され、林業(雇用)の再生、そして山間村、ひいては国土再生に繋がります。

 現在、愛知県と三重県で森林整備加速化・林業再生事業を行っていますが、これらの展開が、資源循環、エネルギーの地産地消、再生可能エネルギーの普及そして持続可能社会の構築へと繋がって行くと考えています。それぞれが相互に繋がってゆくことで『植林からエネルギーまで』・・・そして川上から川下までの一連の国内資源活用モデルで日本再生の一翼を担いたいと取組んでおります。


最後に、林業を、木材産業を再生したい、木質バイオマスエネルギー活用を行いたい・・・等々、日本各地で様々なご研究、お取組みがあろうかと存じます。ぜひ、各地の情報をFBなどで共有しようではありませんか!みなさまからの情報もお待ちしています。


日本再生プログラム推進フォーラム
https://www.facebook.com/nipponsaisei
日本は、世界はいったいどうなる?2012年
https://www.facebook.com/surviveyear2012

FBでは、『みんなで良き日本を再生しよう』という共有グループの運用も始まっています。ご参加になられたい方々は、ご一報下さい。

では、次回は中小零細企業研究会担当の榎本理事にお願いしています。
また、お楽しみに。

都市再生研究会担当 理事 山口直彦
(フルハシEPO株式会社 代表取締役)

内閣府認定NPO法人日本再生プログラム推進フォーラム
http://nipponsaisei.jp/