2013年8月2日金曜日

NSPメッセージ第32回:都市再生研究会 担当理事;山口

NSPの会員の皆様、こんにちは。
都市再生委員会担当理事の山口です。


今回は、私が見聞きして来た各国の米作りに関連してお伝えします。

米の生産では、私たちの実験農場(三重県北部・湯の山)でも6月に田植え、10月に
稲刈りと正味5ヶ月稼働となっています。国内での稲作に関しては、概ね5ヶ月前後の
期間を要しています。

それに比して、東南アジアの国々の米作りは一般的には3期作、時には4期作も行われ
ます。田植えの隣で稲刈りと云う光景は日常で、3ヶ月で収穫されます。

需要に関しては、現地スーパーでは日本のお米屋さんの様に量り売りもされています
国内のスーパーではお目にかかれない50kg入りでの購入も一般的です。
それでも、大家族のため1ヶ月で忽ち消費してしまいます。

価格に関しては、品種改良されたジャポニカ米で10kgが1,200~1,800円。
現地米であれば、タイで100円/kg、ベトナムでは50円/kgあたりが実態です。
実に、ジャポニカ米でも日本国内流通の1/4~1/3価格。
一般市民が食する主食という点では、日本のコメ価格は10倍以上ということです。

単位面積あたりの米の収穫については、3・4期作のため、我々の農地の2倍~3倍の
収量を生産しています。言うまでも無く現地では田植えから刈り取りまで、すべて人手
に依る労働集約農業です。近代的な農業でなくとも資金的に農薬や化学肥料を購入でき
ないので、その点は安心出来ます。この様子を見るにつれ、日本の農業のおかれた状況
に対して、本来求められる安心・安全な食の提供に於いて大いに再考の余地があります。

消費者米価より生産者米価が高いという事は正常では有りません。自給率100%の米
を含めても、日本の食料自給率は40%でしかありません。自らの食を自ら賄えていな
いということです。持続可能な仕組みになっていません。

「腹八分目医者要らず」

私たちは、自給率80%に貢献することを目標として2005年に社内農業プロジェク
トを立ち上げました。自然環境面、労務費、物流費など高コストの要因は多々有ります
が、最大の課題は制度面です。規制緩和が最も効果的な国内農業の再生となり得ます。


都市再生研究会担当 理事 山口直彦
(フルハシEPO株式会社 代表取締役)


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