2014年7月22日火曜日

NSPメッセージ第62回:都市再生研究会 担当理事;山口

みなさんこんにちは。担当理事の山口です。

日本は、世界第4位のエネルギー消費大国ですが、エネルギー自給率はわずか4%
に留まっています。エネルギー自給率とは、石油や天然ガスなど電力や都市ガスな
どに使われる原料・燃料のうち、自国内で確保できる比率のこと。

低いと言われる日本の食糧自給率40%弱に比べ、たった10分の1の自給率しか
ありません。エネルギー資源のほとんどを海外に依存しているという深刻な事実
す。


一方、原子力発電においても、その原燃料であるウランは100%海外からの輸入
です。ウランを産出する一部の国に大きく依存する世界の原発への見方は、東日本
大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故により大きく変わりました。

中でも注目を集めているのはドイツです。日本とほぼ同じ国土面積で、ヨーロッパ
最大の経済力を誇るドイツが、原発17基のうち福島の事故直後運転休止となった
8基をそのまま廃炉にし、残りの9基全ても2022年までに段階的に運転を停止
することを決めました。そして、再生可能エネルギーの比率を2020年に35%、
2050年に80%にすると目標を引き上げました。



さて、我が国のエネルギー基本計画は、4月に閣議決定された内容によると「原発
回帰」の側面が見え隠れする一方で、再生可能エネルギーについて、より安定稼働
が期待されるバイオマス発電へのシフトが明確に設定がされているようです。

先月、川崎バイオマス発電他の視察より、川崎市が民間の取組みを後押しして再生
可能エネルギー都市を目指していることを勉強致しました。一極集中型の大型発電
システムとは異なり、再生可能エネルギーを用いた分散型エネルギーシステムの構
築は、地域産業の活性化と同時に、緊急時に地域において一定のエネルギー供給を
確保することにも貢献します。ましてや、海外に原燃料を依存するエネルギー利用
から、エネルギー自給を高めることによって、我が国のエネルギー安全保障に寄与
する訳です。



NSPでは、戦略的低エネルギー社会を目指しています。再生可能エネルギー拡大
の一方、我々の生活におけるエネルギー消費構造を見直し、利便性は向上させ、真
に豊かなライフスタイルを実現するものです。

数世紀前までの生活に必要なエネルギーは、ほぼ100%再生可能エネルギーでま
かなわれていたと言われています。しかし、私たちは昔に後戻りする訳ではありま
せん。この21世紀の未来の子供達も安心して、この世界で生き続ける事を可能と
するため、再生可能エネルギー・戦略的低エネルギー社会を考えていきましょう。


都市再生研究会担当 理事 山口直彦
(フルハシEPO株式会社 代表取締役社長)

内閣府認定NPO法人日本再生プログラム推進フォーラム
http://nipponsaisei.jp/
日本再生プログラム推進フォーラムFBページ
https://www.facebook.com/nipponsaisei

NSPメッセージ第58回:都市再生研究会 担当理事;山口

みなさんこんにちは。担当理事の山口です。

 ここしばらく、人々の生活を不安にさせる要素が世界各地で起こっています。
ロシアでは、ウクライナ南部にあるクリミア半島をロシア領土に組入れました。
西側諸国はなすすべも無く非難するのみです。微笑みの国タイでも前政権と反体
制派が国を二分しています。タイ国軍は秩序回復に向けクーデターを宣言しまし
た。また、ベトナムの排他的経済水域では中国の力ずくの支配が白昼堂々と行
れています。国の力関係で線引きは容易に変わることを思い知らされます。

 国内では4月より消費税率上げと同時にデフレと円安で抑えられていた価格が
一機に値上げされました。特に輸送コストは割引高速代の廃止、ガソリン代、運
転手不足で企業間では大幅な値上げ交渉が行われています。今後、生活必需品を
直撃してきます。私たちは、今まで以上に市場動向を多角的に見極める必要があ
ると注意喚起せざるを得ません。

 さて、この様な景気動向が厳しい中においても、企業活動における環境対策は
待った無しです。この費用は、当然事業活動の中に内部化されている訳です。例
えば、排水は水質基準を管理し基準以下にして排出すると言う具合。ところが、
これでも環境汚染(汚染物質)はゼロでは無いことは厳然たる事実です。排水量
が基準以下でも大量に排出すれば、当然ながら汚染物質量も増えます。排水を放
流した河川から上水が取水されている場合は、飲料水レベルまで水質を浄化する
費用は誰が負担しているのでしょうか?

 実は、そこには税金が使われているのです。すなわち、企業活動から第三者に
不利益・損害を与えてしまうことを、「外部不経済」と呼びます。

 環境汚染・環境負荷を外部不経済のまま放置しておくと、公害が発生しやすく
なります。過去には、四日市、水俣市等での企業公害、現在では放射能汚染が私
たち自身に牙を向いています。もう一度、環境汚染・環境負荷の事業活動への内
部化について真剣に考え、提言していこうではありませんか。


 最後に、次週末6/7(土)に、都市再生研究会ならびに投資銀行研究会の合
同研究会として、川崎市における再生可能エネルギーに関する視察企画を予定し
ています。詳細は下記の通りです。

 神奈川県川崎市もご存知の通り高度経済成長期の昭和40年代には、前述のよ
うに外部不経済のまま公害に苦しんだ地域のひとつです。その地域が、今では全
面的に再生可能エネルギーに関する民間の取組みを行政が一体となって推進する
都市に生まれ変わりつつあります。

 当社でも、その一角で国内最大規模の川崎バイオマス発電の取組みを担ってお
ります。奮ってご参加下さい。

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第3回NSP合同研究会&第5回投資銀行研究会
「川崎市における再生可能エネルギー探訪/都市再生の未来を探る」

日時:6/7(土) 川崎駅 東口集合 13:00-18:00
参加費: NSP会員 3000円

https://nipponsaisei.jp/events/168
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都市再生研究会担当 理事 山口直彦
(フルハシEPO株式会社 代表取締役)

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